長谷川楓(peace)のblog

京都から東下りしたAttention Deficit気味(ぽんこつ)な元京大生 これまでに住んでいた場所を思い出したり、普段の生活について書いたり、創作したものを載せたり。

銀座湯

銀座湯。近衛中学校の南側の路地を一本南に入ると、明かりが見える。東側に開かれた門の周囲を見ると、駐輪してある自転車の数でおおよその混み具合がこの位置からでもわかる。今日は空いているようだ。

一方で、明らかに自転車が多い日もある。それは大抵、近所にもう一つある銭湯・平安湯が定休日としている木曜日だ。普段平安湯と分け合っている(というよりも平安湯の人気が根強いから分け合うというより平安湯に分けてもらっている感は否めない)客たちが、木曜日になるとすべて銀座湯に集まるのだから、そりゃ一大事だ。

混み合った銭湯のストレスは、ぼくの住んでいる寮のシャワールームが突然冷水に切り替わるストレスとどっこいどっこいで、かなりしんどいから、ぼくは木曜日は意識的に避けて銀座湯に行くのだ。

 

番頭は大抵、お母さんかその息子(若旦那)の二人だ。たまに昼に行くと若旦那の奥さんが現れる。今日はお母さんだ。いつもの物腰の柔らかさ。

 

銀座湯の攻略法。

まず最も風呂場に近いロッカーを陣取る。といっても、最も風呂場に近いロッカーの列は軒並み鍵が失われており、欠番状態なので、厳密にはその一個となりの列が風呂場に最も近い鍵付きロッカーとなる。

ここで脱衣し風呂道具一式とともに風呂場に足を踏み入れる。

まず体を洗う作業だけれど、ここで左手側の、女湯との間の壁に沿って配置されたシャワーはいずれも上から冷たい結露が降ってくるゾーンとなっており、よっぽど鈍感な人間でないかぎり、避けたほうが無難だ。ぼくは右手側のシャワーの前に陣を張る。しかし、その奥側、つまり右奥のシャワー器前は水風呂の前であり、ここでざっぷんざっぷん冷水を跳ね飛ばしうめき声を上げながら入水するオッサンがいようものならここもまた地獄となる。避けたほうが無難。

 

右手前側のシャワーで一通り体を洗ったら、適当に風呂に使ってさっさと上がってしまう。

京都の銭湯はどうも湯の温度が高く、長風呂に適さない。

 

体が冷えないうちに、体を拭いて髪を乾かし、銭湯をあとにする。